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2010年12月19日

BAJA フロントフォークOH(分解編)

アウターチューブのソケットボルトが緩んだってことで、
ようやく、BAJA フロントフォークのOHを再開しました。
私が所有しているBAJAは、どちらも「カートリッジタイプ」です。
このサスの特徴は、伸び側と縮み側のダンパー特性を別々に設定出来るのだとか。
「作動性が良い」といわれるのは、この特徴故でしょうか。
倒立サスの殆どは、このタイプだそうです。
オイルの流路が狭いので、普通のタイプのサスに較べて、フォークオイルはかなり柔らかめのものになります。

ソケットボルトが緩むと、作業はとんとん拍子で進みます。
まずは、ドレンボルトを外して、フォークオイルを抜きます。
ドレンボルトは備わらないバイクもありますが、トリッカーなどもありません。
ドレンボルトがあれば、フォークを取り外すことなくフォークオイルの交換が出来るのかもしれないですが、丁寧にやるには、やはり外して、綺麗にオイルを抜いた方がいいので、たぶん、オイルを抜きやすくするためのものと理解しています。

さて、水鉄砲よろしくオイルを抜くと、意外にも綺麗なオイルが出てきましたが、やはり最後の方は、かなりのスラッジも出てきました。臭いは、前回のTLRと同様にかなり臭いです。
オイルがほぼ抜けきったら、緩めていたソケットボルトを外し、フォーク上端のフォークボルトを外します。
スプリングの圧で飛び出さないように手で押さえながらやりましたが、この圧は殆どないくらいで拍子抜けです。
後は、インナーチューブからスプリング類を引き出しますが、トリやTLRと異なるのは、スプリングを含めたインナーチューブの中の臓物が、ロッドでフォークボルトと繋がっている所です。飛び出さないのは、当然ですね。(笑)
この「ピストンAssy」と表記されるシリンダーの中のバルブによって、フォークオイルの流量をコントロールしているんですね。

フォークボルト付け根のボルトをこんな具合に外すと、スプリング類が外れます。
オイルやらスプリング類が無くなると、フォークはけっこう軽くなります。
ちなみに、エアー併用タイプではないので、バルブが付いたこのマニュアルの絵は間違ってますね。
サービスマニュアルの間違い探しもおつなものです。

さて、次は、ダストシールの取り外しです。
BAJAのダストシールは、トリやTLRのラバーオンリーのものと違い、一部が金属のリングになっています。
このため、アウターチューブとの密着性が良いですが、その分隙間にマイナスドライバーを割り込ませにくい気がします。
なので、こんな具合に、スクレーバーをシールの端面に当てて、ゴムハンマーでコツコツとやったら、上手い具合に浮いてきました。
ヘタに隙間にねじ込もうとするとアウターチューブに傷が付くので、この方法はありだと思います。
因みに、マイナスドライバーの先端は、少し分厚く、端面が尖っているので、こういった作業ではメッキのスクレーバーを使っています。先端はマイナスドライバーよりも薄い割りに、端面は滑らかです。安いものなので、1本あれば、何かと役に立ちます。

驚いたことに、オイルシールの上面は、錆やゴミもなく実に綺麗です。
トリッカーやTLRにはないフォークブーツが付いている効果は大きそうです。
スナップリングの取り外しも、スクレーバーが活躍します。
やはりエッジが滑らかなので、マイナスドライバーよりも、インナーチューブを傷つける確率は低いでしょう。
スナップリングは、TLRのようなスナップピンよりも、取り外しはずっと容易です。

スナップリングが外れれば、もうインナーチューブとアウターチューブを繋ぐのは、スライドメタルとオイルシールのみです。この取り外しは、トリッカーで実践したのと同じく、インナーチューブを引っ張って、インナーチューブのスライドメタルの端面とアウターチューブのスライドメタルの端面をぶつけて引き抜きます。
毎度の事ながら、あまり気持のいい作業ではないですが、構造を考えれば、スライドメタルの飛び出し量の分、確実に突き当たることになるので、正常なフォークであれば、取り外しにコツは要りません。
インナーチューブとアウターチューブにはそれなりの自重があるので、激しくやらなくても、スライドメタルは抜けていきます。

アウターチューブのスライドメタルが外れたところで、インナーチューブは抜けますが、オイルシールは完全には外れないようです。ここで、役に立ったのが、師匠に教えていただいた、TLRでのオイルシールを外す技。
タイヤレバーのくねった方の先端を、オイルシールの下端に引っかけて、「クルン」とやります。
オイルシールは、ラバー素材のみなので、大した力も要らず外れます。

ピストンAssyは、部品がバラバラにならないように繋いでいます。
さすがに、部品点数が多いですね。
スライドメタル類は、細かな擦過傷がありました。おそらく、スラッジでついたものを思われます。
動作上は問題無さそうですが、一応交換します。
が、問題はこの汚いアウターチューブ。
インナーチューブは、点錆こそ見られるものの、可動部分は問題無さそうですが、アウターチューブの美観は、大雑把な私でもさすがに我慢なりません。
なので、徹底的に磨いてクリアを吹くことにします。
そういうわけで、今回は、分解止まり。
錆びないように、フォークオイルが付いたまま、洗わずに保管します。
次なる修行は、「アルミの磨きと塗装」です。
目指せ、レストアマイスター!

あっ、ステムナット緩めておくの忘れた!
まだまだ遠いぞ、レストアマイスター!

投稿者 aw@bitlog : 2010年12月19日 21:47

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