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2009年11月28日

リハビリメニュー作り

今まで、胃のことなんか考えたことも無かったんですが、
胃が無くなるというのは、想像以上に大変そうです。
胃の役割は、今まで、「消化器官」の一つくらいにしか認識がありませんでした。
でも、胃の一番の役割は「貯蔵庫」です。
小腸の仕事は、消化吸収専任なので、一度に沢山の食物を処理出来ません。
小腸で消化が終わると、胃に次の食物を送れと指示が出ます。
そうすると、胃と小腸の間にある「幽門」と呼ばれる括約筋で出来た門を開いて、適切な量の食物を腸に送る仕掛けです。
このおかげで、人は、1日に3回程度の食事の回数で済んでいます。
胃が無くなると、この貯蔵庫がなくなる訳で、小腸で消化が可能と思われる量を推し量りつつ、食べていくしかありません。
これが、難しい。
今までのような「空腹感」が頼りにならないので、食べ過ぎると腸が詰まってパニックになります。
かといって食べないと栄養不足になります。
胃には、当然「消化」の役割もあります。
強い酸で、食べ物を小腸が消化しやすい所まで分解します。
当然この機能もないので、食物を選んだり、よく噛んで消化しやすい状態にしてやる必要があります。
こういう訳なので、食事は少量ずつ、回数を増やすことになります。
しかも、食べる時間は最低でも30〜40分はかけねばなりません。
咽の下は小腸なので、胃の仕事を自分でシミュレートするわけです。

胃の上には、やはり弁があって、胃液の逆流を防ぎます。
下の幽門では、小腸の消化液の逆流を防ぎます。
全摘では、これらも無くなるので、まさに「土管」状態。
なので、食べた後に横になると、消化液が逆流します。
防ぐ為には、食事後すぐに横にならないことです。

胃のもう一つの役割には、「殺菌」があります。
強烈な胃酸で、食べ物についてくる様々な病原菌を退治します。
傷んだ食べ物を食べて、「お腹を壊す」ことがありますが、
アレなんかも、胃の対応の一つです。
胃が無くなると、この殺菌能力も低下します。
なので、いままでのようにアバウトな食事は危険になります。

とまぁ、私の知る範囲だけでもこんな感じ。
ともかく、「今までと同じではダメ」ってことです。
しかも、腸に、徐々に胃的機能を持たせるように鍛えていかねばなりません。
相当な忍耐が要りそうです。
週末は、メニュー作りです。
元々、さほど料理が得意でない母は、カロリー計算などは別世界です。
歳とともにさらに無頓着になりつつあるので、頼りにする訳にはいきません。
先日Amazonで買いそろえた、胃が無くなった人のための料理本で研究して、献立を考える予定です。
とりあえず、2週間程度の献立を作れば、後は適当にリフレッシュする程度で良いでしょう。
さてさて・・・・。

投稿者 aw@bitlog : 2009年11月28日 05:24

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コメント

人間の身体って精密、緻密なバランス、役割分担で出来てるものですね。
健康な時は気付きませんが、ひとつ失うと大変なんですね。
メニュー作り、しっかり親孝行して下さいませ!30数年前、同じ病気で親を亡くした私としては、それを願うばかりです。
今の医学の進歩と情報の多さが恨めしくもありますが。
ちなみに、ウチの町内で僕が知る限り2人の方が全摘されましたが、お二人とも90歳を超える長寿(1人はまだ存命)でした。
人間の身体、生きることにタフでもありますね。

投稿者 路渡カッパ : 2009年11月28日 11:50

病気すると今まで当たり前にできていたことでも不自由になりこともあります。それでも人間って、けっこう柔らかいので徐々に対応ができてくるとおもいます。
それまでの間は、ご本人もご家族も出来る限り専門家に甘えて楽する方向が良いと思います。

投稿者 tamami : 2009年11月28日 20:49

しっかり親孝行してください。

>元々、さほど料理が得意でない母は、カロリー計算などは別世界です。
>歳とともにさらに無頓着になりつつあるので、頼りにする訳にはいきません。

あーーー、同じです。おかげで木曜日あたりにリクエストが入って、土日のどちらかは食べ物を運ぶ というのがうちです。
普通食ですらこれですから、療養食となると慣れるまでたいへんですよね。

投稿者 ネエサン : 2009年11月29日 15:41

>路渡カッパさん

医学の進歩は、日進月歩ですね。
胃カメラでわからない腫瘍をCTスキャンで見つけたりも出来るでそうです。
でも、人の体へのストレスも、昔よりもずっと増えてそうですね。

90才ですか。
励みになります。

>tamamiさん

今のところ、けっこううまく対応しているようです。
専門家は頼りにしたいです。
とは言え、本人も周りの者も、あまりにも無頓着過ぎたので、これが勉強の良い機会かと思っています。

投稿者 aw : 2009年11月29日 16:04

>ネエサン

献立を作っても、肝心の作る人がダメそうなので、やめました。
レトルトとか、カロリーメイトなどで、足りない分を補う作戦に変更です。
あまり神経質に過ぎるのもどうかと思うので、とりあえず、父の回復力を見ます。

投稿者 aw : 2009年11月29日 16:32

自分が30代の初めのころにストレス性の十二指腸潰瘍で腹を掻っ捌いた時には、
2/3だか3/4だか、まぁかなりな部分の胃袋を削除する羽目になって、やはり一番辛かったのは、
「本当に食べられない」「食欲とキャパシティのギャップがものすごい」という事でした。

それまで、けっこうな食いしん坊だったのが、退院直後は女性用のお茶碗一杯ほどのご飯で目一杯…。
それも少しでも無理をしようものなら、それこそ死ぬほどの苦しみを味わうことになります。
それでも若干残された胃が、担当医様の仰るとおり、その後徐々に大きくなって回復はしましたが、
元の通りにまではならず、年齢相応の食事量になりましたが、それはそれで良かったのかもと思っています。

全摘出だとそういった回復は難しいので、新しい身体に感覚と肉体そのものが馴染むまで
大変だろうなぁと思います。
でも、人間って柔らかいから、きっと大丈夫ですよ(無責任)。
ともかく、あせらずのんきにご自身と付き合われることが肝心です、
awさんも大変でしょうけど、できるだけ楽でへたばらない様に工夫してね。

投稿者 おむ : 2009年11月30日 01:09

おむさんの食欲というか、
食べ物のチョイスを見ていて、
回復したとは言え、
「胃を切った人」とは想像出来ないですね。(笑)

父は、退院直後にかなり具合が悪そうでしたが、
今は、割合フツーに生活しています。
食事は手間がかかるようですが、まぁ、自覚してやってるようです。
まぁ、調子がいい時はなんの問題もないので、
他の病気に掛からないことですかね。
心配は、むしろ母の血圧ですね。
医者にも注意を受けているのに、血圧すら測るのを面倒がります。
本当に困ります。

投稿者 aw : 2009年11月30日 06:15

人知れず、皆さんご苦労されてるんですね。
まぁ大なり小なりウチも例外ではないのですが、そんな中でも一所懸命に生活すること、
尊いことなんだと再認識しました。

投稿者 しんさん : 2009年11月30日 08:59

どこも同じでしょうね。
病気や怪我をするのは仕方がないことなんですけど、
自分だけのことでは済まないので、
避ける努力はしてほしいなと思います。

投稿者 aw : 2009年11月30日 12:05

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