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2006年06月11日

コンプレックス

IMGP3363.jpg

久しぶりに、『AI』を見ました。
観た人なら分かると思うけど、そう何度も観たいと思える映画ではありません。
なんか、“暗い”んですよね。
お腹を抱えて笑えるシーンなんてゼロ。
スピルバーグ作品なのに。
キューブリック脚本だから?
派手に宣伝した割には、興行成績が伸びなかったのはそのせいでしょう。
じゃ、嫌いかっていうとそうでもなくて、
DVDを買うほどに手元に置いておきたい作品です。

それは、キューブリック故の“軽くない内容”と、
スピルバーグならではの、“映画作りの上手さ”があるとおもうから。
演出、キャスティング、映像などどれをとっても抜け目ないというか、
まったく安心して観ていられます。
ただ、あまりにも色んなイメージがてんこ盛りの感があって。
途中でテーマを忘れそうになします。
単品はそれぞれとっても美味しいけれど、
一度にテーブルに出されたために、一品ずつ味わいきらずに混ぜて食べちゃった感じがします。
美味しいラーメン1杯なら、麺やスープをじっくり味わい、
「ああ、またあそこのラーメン食べたい!」
なんて事になるんですが・・・。

ai_joh.jpg

ホストロボットが、処女(たぶん)をくどくシーン。
こういった部分にも、複雑になったロボットと人間の関係を見せようというのは、
壮大なテーマを目指したキューブリック脚本ならではでしょうけど、
テーマが壮大になるほど、観客はついて行きにくくなります。
おそらく、亡きキューブリックの意志を尊重しようとしたんでしょうね。

最後の宇宙人のシーンはどうかとも思ったけれど、
私的には、いわゆる、ひとつの、“ハッピーエンド”。
ただし、宇宙人の姿は出さなくていいんじゃなかったのかなぁ。
「声」かあるいは「感覚」のみの宇宙人。
そのほうが想像力が広がるってもんです。

勝手な想像ですが、
スピルバーグとキューブリックって、お互いに、自分にないものを持った相手を尊重し合っていたんでしょうかね。
この映画を見るたびに、そんな監督と脚本家のコンプレックスに思いを馳せます。

投稿者 aw@bitlog : 2006年06月11日 05:44

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コメント

これと シックスセンス のDVDを持っています。
どちらもちょっと暗い。この少年のおびえた顔、とても印象的です。 

投稿者 ネエサン : 2006年06月11日 17:30

「シックスセンス」見てないです。
なんだか怖そうで。(^_^;

怖いのと残酷なのは、自分的に禁止してます。
彼は、演技が上手すぎて怖い・・・(^_^;
見事にロボットを演じてます。

投稿者 aw@bitlog : 2006年06月11日 18:35

シックスセンス 音が妙に霊的な雰囲気を出しているのですが、怖い映画ではないですよ。 なかなかしっかりとしたストーリーで最後に「やっぱりね。納得。」です。 キーワードは 赤い色 と 影。
ブルース・ウィリスって若い頃から好きなアクターですが、色っぽいシーンが無いですね。

投稿者 ネエサン : 2006年06月12日 08:17

怖くないんですか。
予告をみて、勘違いしていたようです。
安心して見ることが出来ます。(^_^;

投稿者 aw@bitlog : 2006年06月12日 09:42

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