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2011年10月31日

絶対に一人では行かないでください

さて、縦走当日。
気合いが入ったツーリングの日は、つい早起きをしてしまいますが、
昨日は、夜中の1時に目が覚めてしまいました。
スタートは、須磨浦公園を7時なのに・・・。(汗)
で、うちを出る6時前ごろは、なんと朝からポツポツと雨が落ちてきました。
朝から雨というのは、・・・萎えます。

20分ほど前に須磨浦公園駅に着くと、すでに大勢のアスリートウォームアップしています。
おちゃらけてる人なんて一人もいない・・・(汗)
120%本気モードじゃないですか。
かなり場違いな気分で、恰好だけ柔軟運動始めました。
筋肉の張りなどは無いものの、五十肩と腰痛がギシギシ言ってます。

【イベントの要旨】
そもそも「神戸六甲全山縦走大会」という神戸市が主宰する大会があるんですが、こちらは市が主宰しているだけあって、しっかりとした運営母体があり、大勢のボランティアによってサポートされます。基本「ウォーキングイベント」なので、ハイキング的要素が強いです。
それに対し、今回私が参加したイベントは、地元のアウトドアショップと居酒屋店主が主催した、よりハードな縦走です。通称「キャノンボール」と呼ばれる由縁は、途中のルートに人力で動く乗り物を使って良いってところです。
なので、MTBを仕込んでいる人もいます。そんなのずるいって思うところですが、下りばかりではないので、押したり担いだりして進むセクションもあります。なので、余程長けていないと足枷になるそうです。
一番の違いは、主催者はゼッケンと携帯食品を配るくらいで、何もサポートをしないってところです。
タイムは自己申告だし、ゴールで待ってる人もいません。
コースがわかりにくいところで指示をする人もいません。
つまり、「個人が、同じ時間に一斉に縦走をする」だけで、厳密に言えば、「大会じゃない」んです。
なので、道に迷ったり怪我をしたりしても、すべて自分で対応することになります。
危ないと思ったら、自分の判断で中止することも大事です。
こんなイベントです。

【前半】
予定の7時から10分遅れでスタート。
すぐに坂道が始まりますが、皆さん、まるでマラソン大会みたいに、ダッシュ。
歩いているのは、完走目的の一部山ガールと私くらい。(汗)
大多数の猛者は、タイムに拘って走ってます。
な具合なので、私はすぐに置いてけぼり状態。
まぁ、先は長いので、マイペースで歩きました。
長い上りが続く菊水山は、体力の脚力の消耗が激しいところです。特に急な階段が辛くて、脚力だけで登ると、途端に太ももが悲鳴を上げますが、ポールに体を預けて、手と足を同時に上に上げるような登り方すると、比較的楽にのぼれます。
練習していた前半は市ヶ原まで。
ここまでの前半のタイムは目安になりますが、13:00丁度。
ってことは、6時間。
今までで最短。悪くないタイムです。
ここから宝塚までの夜間走行シミュレーションでは、6時間半を出していたので、単純に考えれば、12時間半で行けることになりますが、実際は、昼食の時間があったり、当然疲れがありますから、果たして13時間を切れるかどうか。
不安要素は、捻挫癖が付いている左足首と、腰痛です。この点は常に意識して歩きました。
もう一つの不安要素は、お天気です。天気予報の通り、お昼前からポツポツ来ているお天気が酷くなると、ペースが落ちます。
これは、祈るしかないです。
それでも、ベストなタイムが出て、気分上々で後半戦に臨みました。

【後半】
後半は、六甲山頂上を目指してどんどん高度を上げます。
途中の掬星台(きくせいだい)が、ランチスポット。
肌寒い天気だったので、ここでの暖かいカップうどんがホントに有り難かった。
長時間の運動ではエネルギー補給は大事です。
朝は、牛乳と消化の良いおじやを摂り、ランチまでの間は、途中のコンビニで、500mlの牛乳とホットケーキで間食。
エネルギーが切れてから食事をしても、それが体を動かすエネルギーになるのに時間がかかりますから、予め時間を決めて摂っていくのが良いとか。
ランチまでは、雨具が不要の程度だった天候は、食べている間に本降りになりました。
なので、ここからポンチョを着用。
防寒にも丁度良いけど、この先気温が下がってきそうだから、寒くなったらウィンドブレーカー着用です。

約、30km地点のガーデンテラスの到着時間が5時を過ぎると、一応タイムアウトとなって中止を勧められます。
というのは、そのペースで行くと、到着時間が遅れ、リタイヤするポイントも無くなるからという理由です。
幸い、私は、16:25分で到着。
この後、雨は、霧雨になったり、激しく降ったりを繰り返します。
白い霧雨の中では、光の乱反射のせいか以外に明るいですが、さすがに暗くなって、さらにドライブウェーを歩くルートになったとき、クルマに自分の存在を知らせる意味で点灯しました。
リサーチ結果でばっちりの照明効果・・・のはずでしたが、数メートル先が真っ白で見えない!
霧雨がスクリーンになって、さっぱり効果がありません。
なので、下を向けて足下を照らすしかないです。
う〜ん、これは想定外です。
この後、再び山中に入って、宝塚を目指しますが、雨の勢いは全く衰える気配無し。
岩は滑るし、道は水たまりで終わらずに、勢いよく水が流れる溝状態。
低い場所では、水の中を歩きます。
で、今回マジで怖かったのが、比較的フラットな林の中です。
道が結構曖昧なところに、霧雨で先が見えないので、道がわからなくなりいます。
何度か、間違えて林の中に進みそうになりました。
GPSがあるので、致命的に間違える事はないですが、この悪天候の中、GPSの捕捉性能が大きくダウン。
元々木々に遮られてキャッチしにくいに加えて、雨が邪魔になっているようです。
こうなると、本当に心細い。
兎に角、回りの風景を確認できないので、何度も同じ道を歩いている錯覚になって、その都度GPSで確認しました。
ちょっと不安になって後続のグループに合流する事も考えたものの、その気配もないし、雨が降る山中の中でジッとしている方が不安なので、自分を信じて兎に角前進しました。
最後、宝塚市に入ってから、「塩尾時(えんていじ)を経由して宝塚」の標識を見かけて「もうすぐだ」と安堵したものの、実はまだ10km以上の距離があって、ここの進行がなかなか精神的にきつかった。
比較的高度の下がりが少ないので、何度も同じ所を回っている感覚になって、標識が間違っているんじゃないかと思えたほど。
唯一の頼りはGPSでした。
ようやく、宝塚の街の灯りが見えたり、遠くで飼い犬の吠える声が聞こえたりしたときは、正直ホッとしました。
イヤだった、長い舗装の下りのつらさも忘れたほど。

【ゴール】
20:12分ゴール。
スタートが7:10分だったので、かかった時間は、13時間と2分。
当初の予定は14時間を切れればと思っていたので、自分的にはまずまずです。
でも、トップタイムは7時間とか。
笑うしかないですね。(笑)
それでも、多くの猛者が8〜10時間で走りいきっています。
普通じゃないっすね。(^_^;
打ち上げが行われている居酒屋に向かったら、もう切り上げて移動するところ。
私が単独で来たというと、驚かれました。
普通はやらないって。
えーーーー!
やっぱり拙かったとですか。(汗)
私が感じた不安は間違ってなかったってことですね。
って納得してる場合じゃないな。
視界が悪い中で、事故の確率も高くなるし、
万一、どこかにおっこっても、一人じゃどうしようもないですね。
もう二度としませーん。

【所感】
最後、地元に帰ってリタイヤ組とも合流して再び打ち上げ。
一仕事成し遂げた後だけに、盛り上がりました。
それにしても、皆さんすごすぎ。
10時間を切る人多数とか、
女性でも12時間とか、
半分以上走って、夕方からの仕事に出る人とか、
特に女性がすごいね。
完走は兎も角、半走だって相当にキツイのに、まぁ元気です。
そもそもアウトドア好きの集まりですが、私のようなしんどいことは大嫌いな人間には別の人種に見えます。(笑)

【反省】
兎に角、霧や霧雨で視界が効かない時の山はヤバイです。
単独行動はやっちゃイカンし、山に入るのも避けたいです。
GPSの感度も落ちることを覚悟したほうがいいです。

水分や食事は、定期的に摂ります。
エネルギーが切れてくると体が動きにくくなるので、そうなる前に補給を心がけます。
体を動かせなくなると、体温も下がってくるので悪循環になります。
今回は、比較的上手く行きましたが、夜の雨の中、歩きながらソイジョイを食べるのは余り楽しくはないです。

今回は、足裏の痛みがもっと少なく過ごせました。
徐々に慣れてきたと言うのもあるし、少しずつ歩くための筋力が付いてきたと言うことでしょうか。
「歩く事」の大切さを実感しています。

翌日である今朝のダメージは不思議なくらいに少ないです。
トレランポールでストレスを分散した効果が高いと思っています。
その分腕や肩に多少の張りはありますが、脚と違って常にテンションが掛かっているわけではないので、ダメージは少ないです。
腰は、ダメですね。
こればかりは、地道に処方していくしいかないです。

ちょっとオーバーワークな感じの縦走ですが、自分の限界を試すという意味でその効果は大きいです。
まず、体の中のダメなところがはっきりするし、鍛えればなんとかなる部分と、鍛え方を考える必要がある部分がわかります。
何より、自分の中のチャレンジ精神を呼び覚ますのに最適です。
これは、ちょっと癖になりそうですね。
春には、往路と復路が入れ替わったキャノンボールがあります。
その時までに、もう少し脚力をつけて、腰を改善したいです。

#翌朝は、大洗濯まつり。
 濡れたり汚れたした衣類やシューズを洗いました。
 さて舗装と洗濯機を覗いたら、ポケットに入れていたiPod Shuffleが・・・南無。

【追記】
不肖私の走行ログです。
13時間で歩き抜くペースです。
Google Earthで開けます。
時間は、協定世界時なので、9時間遅れています。

投稿者 aw@bitlog : 2011年10月31日 12:11

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コメント

お疲れ様でした、完走おめでとうございます。
いやー、56キロ走破とは凄いです。
雨の夜間の山中よくぞ遭難せずにご無事で良かったですね。
次回は明るいうちにゴールすれば安心ですね(^_^ゞ

投稿者 1京都 : 2011年10月31日 14:14

スゴイ!凄すぎます、初めての挑戦、悪条件の中・・・
準備はされてたとはいえ、雨中の夜間はキツかったでしょうに、悪運が尽きずにようござんした。(^_^ゞ
>私のようなしんどいことは大嫌いな人間・・・
とてもそうは思えません。私なんか1kmの坂、登っただけでもう二度と行きたくないと思いますもん。

投稿者 路渡カッパ : 2011年10月31日 14:52

悪天候のなか無事に完走されて おめでとうございます。

オニイサンが走ってるって話をしたら、夫が30年くらい前になるまなぁ、当時は塩屋からスタートしたって。
やはり午後8時ごろのゴールだったそうです。
懐かしそうでしたが、さすがに「またやってみようかな」とは言いませんでした。

投稿者 ネエサン : 2011年10月31日 17:39

>1京都さん

明るいうちに到着が理想ですが、
1分間に93.3m以上で進み続けるのだけの脚力をつけねばなりません。
認めたくはないですが、
たぶん、無理です。
次は、フォグライトをつけようと思います。

>路渡カッパさん

筋力アップは間に合わなかったので、兎に角コースになれることに専念しました。
力配分というか、コースマネジメントに徹しようという戦略です。
水や食べ物を得るポイント、摂る時間、疲労度、気温、夜間走行、など殆どの要件を事前にシミュレーションして、万全に向かえました。
雨も体験済みでしたが、視界不良になるほどの天候は未経験でした。
これを単独で行ったのは、失敗でした。
幸い、事故はなかったですが、誉められた行動ではないですね。
この点、大いに反省です。

投稿者 aw : 2011年10月31日 17:45

>ネエサン

旦那さんは、アスリートでしたっけね。
少し準備されれば、完走だけなら、余裕じゃないですか。
元々レベルが高い人は、鍛え方もわかっているので早いと思いますよ。

投稿者 aw : 2011年10月31日 17:52

13時間2分、すげえ!
よくやりましたね。
米粒ほどは見直しましたよ。

でも、やっぱり舐めているよなぁ山を。
美味しいもんでもないのに。
マジで危ないでっせ。

投稿者 Nylaicanai : 2011年10月31日 18:23

文章に「俺はやったぜー!」みたいな雰囲気がビシバシ伝わりますね。
完走と自己記録更新おめでとうございます。
人間やればできることが多い。まずやる気を起こすことが肝要と教わった気がします。
ホントお疲れ様でした。
さぞ完走後の打ち上げの酒が美味かったでしょうね~(´∀`*)

投稿者 サカテツ : 2011年10月31日 19:19

すっごいな~!感心しまくりです!
まずは「おめでとう~!」
人間ってすんごいですね・・・
目標があるって事がすごいのか?
単に「aw」さんがすんごいのか?
でも、山(自然)は怖いです。
私の友人もバイクで遭難した方が数人います。
それも単独で参加・・・
・・・何かちょっとだけ「惚れるなぁ~(ハート)」

投稿者 ケセラセラ : 2011年10月31日 19:59

>Nylaicanaiさん

ホンマに今回は、正直恐怖を感じました。
何事もなく終えられたから良かったけど、
ひとつ間違えていたらシャレにならなかったです。
勉強になりました。

>サカテツさん

なんでもそうですけど、
たまには、限界ギリギリをやってみるのは大事だなと思いました。
というか、限界って、自分で決めちゃってることが多いかなって気がします。
何かやり遂げた後の酒は旨いですね。

>ケセラセラさん

しっかりと計画を立てて準備を怠らなければ、問題ないですよ。
私は、体力的にはまったく勝るところはないですが、コースマネージメントはしっかり行いました。
でも、悪天候での単独は誉められたものではないと深く反省中です。
来年、宝塚から須磨浦公園が3月にあります。
たまには、二足歩行でガレ場を行くのはどうですか?(笑)

投稿者 aw : 2011年10月31日 22:08

イヤ~凄いです♪ホントお疲れさまでしたm(__)m
文章読んでる途中から、あ!!途中リタイアかなと?思いましたが見事完走!!!!!!おめでとうございます♪
もう遅いと思いますがアフターケアはしっかりやってくださいませ(^-^)v

投稿者 KOMEI : 2011年11月01日 01:00

ありがとうございます。
脚に負担を掛けない“四足歩行”が功を奏したようで、
今のところ、不思議なくらいにダメージはないです。
腰だけは誤魔化せなかったので、灘温泉で養生してきました。
今週は、毎日温泉通いです。

投稿者 aw : 2011年11月01日 05:31

無事完走おめでとうございます!!!!
かなりハードなんですね~。
それだけハードな事して打ち上げまで行ける人たちって…
きっと世界滅亡の危機でも生き残れる人たちですよね♪
一人参加の危険さも勉強になりました。
次は春なんですね。頑張ってください!!

投稿者 nibochi : 2011年11月02日 06:20

ハードですね。
気を許すと怪我をするような箇所が何カ所もあります。
それでも、小柄な女性でも、それなりのトレーニングと装備で臨んだ人は、ずっと早いタイムでゴールしています。
打ち上げの居酒屋に向かうとき、多くの人が歩き方がヘンでした。(笑)
それでも、飲むと元気になるので、すごいと思います。

投稿者 aw : 2011年11月02日 07:55

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