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2010年12月25日

シンプルで深い

「MOON〜月に囚われた男〜」
2009年のイギリスSF映画です。

役者は、ほぼ一人で、おそらくは、SFとしてかなりのローコストな制作費かと思いますが、
つくづく、作品の出来は、かけたお金に比例しないなと実感する作品です。
始まりの部分では、違和感や疑問を感じますが、
それが伏線になっていたことは、後で気が付きます。
このタッチは、なかなか見事。
セットの美術は、飛びすぎず、現実的過ぎず、クールで出しゃばらない丁寧な仕上がりなので、ストーリーに集中できます。
少しのユーモアもあり、さじ加減もいい具合で、全体が見えている感じです。
派手な展開があるわけでもないのに、飽きさせないのは、色々と考えさせられるテーマで、ストーリーの展開が読めないことでしょうか。
「人とは何か」という根源的な問いは、「ブレードランナー」などと重なるメインテーマかとは思いますが、
人とコンピュータの関係を、「2001年宇宙の旅」や「アイロボット」などと見比べても面白いでしょう。
また、現代社会に繋がる問題定義もあって、身につまされた人も少なくないと思います。
唯一気になったのは、最後ですかね。
意外にあっさり終わってますが、テーマを固定させないためか、
果たして、続編のためか。
もし、続編があるなら、見てみたい気がします。
深刻で憂鬱なテーマがメインながら、
新しい希望も感じさせるところは、今までに無いSFを感じさせます。
ジャンルを超えてお奨めする秀作だと思います。

投稿者 aw@bitlog : 2010年12月25日 20:37

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コメント

あ、忘れてた!
公開当時、気になっていたんですよ。これ。
レンタルしてみよっと。

セットの雰囲気を見ると、「スペース1999」みたい(^^ゞ

投稿者 Nylaicanai : 2010年12月26日 07:54

念のために言っておきますけど、
アクションもエンターテーメントも無いですよ。
淡々とした地味な展開のです。

投稿者 aw : 2010年12月26日 09:14

サイレントランニングっぽい孤独感漂う映画?

投稿者 taaaaaa : 2010年12月28日 14:14

「サイレント・ランニング」を観ていないのでわからないです。
孤独なシチュエーションですが、それがテーマではないようです。
孤独は、テーマに繋がる伏線になっています。
あらすじを読む限り、似た空気感はあるかもしれません。
イギリス映画とアメリカ映画の違いもあるでしょう。
そういえば、「サイレント・ランニング」を観たいと思っていたことを思い出しました。

投稿者 aw : 2010年12月28日 14:42

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