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2007年07月01日

公開直前、新型デミオ!

昨日、カッパ2号の修理に行ったら、公開直前の新型デミオが置いてありました。
実物は、地味なメタリックグレーながら、スタイリングの素晴らしさは写真のまま。

「かっちょええ!!」

素直に「カッコイイ」呼べる国産コンパクトカーって初めてかも。
コンパクトカーの枠を取っ払っても、
あるいは、ワールドワイドに考えても、
結構上位にランクされるスタイリングじゃないでしょうか。

フロントフェースも奇麗です。
サイドから繋がる綺麗に、しかもダイナミックにフロント先端に収束しています。
マツダは、元々、大げさなフロントグリルを控えるメーカーでした。
最近のエンジンへのエアー導入経路は、殆どバンパー下のグリルからになって、
ボンネット先端のグリルは殆ど「ダミー」になっているものが多く、穴すら開いていなかったりしますが、この点、マツダの造形部は「ダミー」を嫌う体質のようで、無闇な「お飾りグリル」は
少ないように思います。
このデミオのバンパー上のグリルは、最小限度。
もう少し、大きくてもいいんじゃないかって思えるくらい。
でも、そのおかげで、面の繋がりがしっかり見えます。
この面の流れがきれい!
メッキモールなどで飾る手法とは、本質的に違います。
ヘッドライトやグリルの切り方も、マツダらしい、造形の基本に忠実なまとめかたで、
これ以上でもこれ以下でもないくらい。
これが、日産だと、少しバランスを崩してでもデザインの新しさで切り込んでくるんですが、
マツダはそう言うことはないようです。

「基本に忠実」はある意味、保守的になる危惧を含んでいますが、
今回のデミオには、そうはならない「トピック」があります。
それがこのダイナミックなサイドビュー。
これは、新型デミオが発表された様々なショーの場でも、大いに話題になったようです。
スタイリングに拘るメーカーとして、PEUGEOTを挙げることに異論を唱える人は少ないと思いますが、そのプジョーと較べても、新型デミオのスタイリングは光ります。
プジョーのスタイリッシュさは有名ですが、よく見ると造形の斬新さは多くないように思います。
にもかかわらず「格好良く見える」のは、ディテールを格好良く強調しているから、と言うのが私の考え。
フロントウィンドウを寝させて、
ヘッドライトを細長く、口を大きく開き、
ノーズを突き出せれば、大抵のクルマは「かっこよさそうに」見えます。
それを強調したのが今のプジョー。
非常に強いキャラクターを見せますが、かつてピニンファリナが手がけていた頃の品の良さは薄いです。
それに較べて、デミオは、ダイナミックとオーソドックスのバランスが実に絶妙。
造形のレベルでは、確実にデミオのほうが上じゃないでしょうか。
ビッツなども、面の質やまとめ方のレベルは非常に高いですが、トピック(見所)がありません。

リアのイメージは、小型ハッチの定番的まとめ方でしょうか。
ビッツやプジョー207と共通のテイストを感じます。
似ているという人はいるでしょうけど、小型ハッチのリアを、出来るだけオーソドックスにまとめると、殆ど同じデザインに落ち着くことは、考慮すべきでしょう。
その中でも、デミオのまとめ方は上手いです。
今までのマツダ車のリアレンズのデザインは×でしたが、
デミオのは、非常にきれい。
漸く考えを改めてくれたのかなぁ・・・。(^_^;

外装以上に変化を感じたのが、内装。
これまた、素晴らしくバランスのいいまとまり。
このクラスでも、ソフトパッドを入れたり、質感向上に励むメーカーもいますが、
私は、このクラスならではのまとめ方というのがあると思います。
あえて言えば、「楽しさ」の演出。
材質はプラスティッキーでも、形や色、素材感で、このクラスならではの楽しい雰囲気を演出できればいいのではと思います。
今回のデミオのインパネ回りは、なかなか上手い具合にそういった雰囲気が入っているのでは?

このホワイトメーターの使い方も上手い!
すべてを明るくするんじゃなくて、真ん中のみ。
しかもディテールの出し方、フォントの選び方も絶妙。
この変わり様は何?

このコンソールもいい!
miniまでとはいかないけど、
ちょうどいいさじ加減で収めています。
このデザイナー、本当にセンスがいいなぁー。
唯一難点は、据え付けのナビを選ぶと、ここの造形が台無しになること。
流行のフラッシュメモリーの小型ナビがベストですけど、
今のところ、ディーラーオプションでもないみたい。
衝突時の安全性の問題からか、ダッシュボード上に取り付けるものは、取り扱わないんでしょうか。

トランクは、やはり狭くなってる?
リアピラーが寝ているので、前モデルのように積み込むことは無理でしょうか。
後ろが見えなくなるくらいに積み込むとすれば、差は大きいでしょう。
ただ、リアのウェストラインが高くなっているので、見た目以上に広い印象です。
ベビーカートを積み込みやすいかどうかがポイントになるでしょう。

それにしても、マツダのデザインの底力を見た思い。
ほぼ完璧な出来じゃないでしょうか。
あとは、このサイズダウンしたデミオを市場がどう受け入れるか。
欧州では間違いなく売れるでしょうが、国内はどうか。
ディラーの営業の方も気になっているようですが、
ノリに乗ってるマツダゆえ、だいぶ自信もあるみたい。
クルマは本当に良さそうなので、営業さんももっとお洒落な恰好をしてほしいですね。
各営業所に、「スタイリスト」をつけましょう。
クルマの次は「人」ですよ、きっと。

投稿者 aw@bitlog : 2007年07月01日 07:28

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コメント

最後の3行にひどく同意してしまいますが、それはともかく、
実車もなかなか良さそうですね。思いきった軽量化と言うことで
内装の質感なども気になったのですが、このクラスとしては充分のようですし。
私はまだ実車を見ていないので何とも言えませんが
街を走り出せば、ちょっと光った存在になるのではと期待してます。
後はカラーリングにもう1色、2色個性的なものがあれば
NEW TARGET の心を動かせると思うのですが
お得意の特別仕様車、特別色に期待しましょうか(笑)

投稿者 路渡カッパ : 2007年07月01日 21:54

シートは、まだビニールがかかったままだったので、確認できませんでした。
大きさは、「ダウンサイズ」してますね。
これが唯一気がかりなところですけど、
マツダなので、しくじることはないと期待してます。
個性的な色は欲しいですね。
日産に分けて貰えない?(^_^;

投稿者 aw : 2007年07月01日 22:25

既に CM も放映が始まってますね。 今のマツダが出すクルマとしては殆ど100点満点じゃないですか?

デミオがここまで欧州域での自社イメージに即したデザインに振れたのは、ベリーサが予想以上に好調であるのではないかと思います。 高級版デミオとしてリリースしたベリーサは、質感を考えなければデミオとモロに被ってましたから、新デミオはマツダの主戦場である欧州での自社イメージにがっちりはまったクルマに変身させることが出来たと。

旧ユーザーの需要はベリーサにまとめて収益もアップさせ、で、造ってみたら国内市場でもキャラが被る競合車が見当たらないという、ナイスポジションを得ることにも成功したっていう処でしょうか。

惜しいのは、このクラスとアテンザクラスとの間に、強い商品が無いこと。 昔で言えばファミリアのクラスでもう一つ、新しいスゥイートスポットを掘り当てられれば、もっと面白くなるんだけどなぁ(アクセラは単なるショートアテンザなので却下)。

投稿者 おむ : 2007年07月02日 01:15

ベリーサが売れたのは、マツダとしても予想外だったみたいですね。(笑)
しかも、ベリーサは、ユーザの満足度が高い!

マツダは、自社だけの意向だけで、シャシーやエンジンを作れない状況なんだけど、その中で、まぁ、良くやってますね。
「資本の稼働率」ってーのがあって、いかに自分ところの設備を使い切っているか、っていう指数なんだけど、
これが、マツダはトップ。
まぁ、「頑張ってる」ってことですね。

代車でアクセラに乗ったけど、これがまた良いんですよ。
マツダは、過去の失敗もあるから、車種を増やすことは慎重では?
アテンザはモデルチェンジが近いし、たぶん、それでアクセラとの差は開くでしょうし、アクセラは逆に少しダウンサイズすれば、ちょうど良いかなとも思うんですが。

新型デミオのデザイナーって、RX-8をやった人らしいですね。
この人、センスありますね。

投稿者 aw : 2007年07月02日 06:04

実車もかなり良いようで、ホッとしました。
日本でも、売れて欲しいな。

投稿者 Nylaicanai : 2007年07月02日 07:24

合理的パッケージを好んだユーザーが、どう判断するかですね。
駆け込み需要がかなりあったみたいですから。

投稿者 aw : 2007年07月02日 07:39

awさんをはじめとして皆さんのコメントなかなか好意的ですね
わたしのようなデザインのド素人日本人だと・・・ちょっと?かも
デミオ=ボクシーな実用車のイメージが強すぎたか?
デミオに限らず最近のクルマはサイドモールもフェンダーマーカも
デザイナーが嫌って?ついてないけど、末端消費者が本当に
不要と思ってるのかなあ?
(ヘッドランプの上端突起がマーカはあるけども)
主婦ドライバーなんか、けっこうあったらいいなの意見も耳にしますが・・・
まあ、その分ドアの開閉に気を使う人増えてればいいですけど
デミオのことからずれちゃいましたね
ブレークスルーできるのかなあ、ちょっと懐疑的ですが興味アルわたしです

投稿者 しんさん : 2007年07月02日 10:40

正直なところ、意見は分かれてるんじゃないですかね。
私などは、多分にデザイナー側というか、開発側の立場で見ることも多いですが、一般のユーザの意見を見ると、戸惑いもあるみたいです。
実際、現行車が良くできていますから。
私でも、現行車のコンセプトを捨てることには、4割くらい、もったいないって気持ちがあります。
本音を言えば、デミオは現行路線を守って、別車種として追加すれば・・・って思ったくらい。
それくらい路線が違いますからね。
もう一つの本音としては、コンパクトカーの中で、クラスレスな洒落たモデルへの渇望があります。
どのクルマもユーティリティー志向の箱みたいなのばかりで、いつもそんなに大きな空間が必要な人ばかりじゃないって思いがありました。

マツダは、新型デミオで、ある程度、旧来の顧客を逃すことも承知はしてるんじゃないでしょうか。
その上で、新しい層の顧客を得ようとしているのではと思います。
新型デミオの方向性だと、競合するモデルも少ないので、軽と競合させられて値引き要求をされることも少なくなるんじゃないでしょうか。

こういった合理性だけじゃない売り方では、すでにマーチが成功を収めています。
デミオがどこまでがんばれるか、
海外では、恐らく成功するでしょうけど、
国内は未知数ですが、がんばって欲しいですね。

投稿者 aw : 2007年07月02日 11:14

あっ、なるほど
>軽との競合を回避
そうですね、確かに確かに!
納得です
また海外ではいい線いけるのではと私も思います

投稿者 しんさん : 2007年07月02日 15:06

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