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2006年11月07日

ハシゴを外されたワンルームマンション

IMGP5027.jpg

2代目ステップワゴンです。
2代目というのは、大抵の場合、初心が薄れて印象が曖昧なものですが、
「走る箱」に近づけたという意味で、このステップワゴンはよりピュアになったと言える稀なケースかと思います。
狙いは、ずばり、「走る部屋」でしょう。

リアビューは、HR-Vと似た処理で、一見屋根が無いようなデザインは、未来感覚があります。
ここら辺りがホンダの上手いところ。
「キャンピングカー」ではなく、「カプセル」になっているのは流石です。
この形が高速道路を疾走するのは、なかなか愉快です。
正直なところ、好みからははずれますが、
これはこれで、充分な説得力と存在感を感じていました。
ところが、3代目はクルマに戻ってしまいました。
3代目の、パッケージとしての必然も、その優秀さもわかります。
だけど、です。
折角、生活感のない箱車を提案して、さらには、その提案に共感した多くのユーザを抱えなながら、
全然別コンセプトのモデルチェンジをやってしまいました。
ホンダは、こんなモデルチェンジをよくやります。
新しい市場という餌探しに熱心ですが、
その餌を見つけたライバルが乗り込んでくると、
さっさと新しい餌を見つけにいきます。
で、「その餌は、古くて美味しくない」って言い始めます。
これは、非常に活発な、生き延びる手段ではあるけれど、
ブランドやら伝説の生成には甚だ不向きなやり方です。
だから、今のホンダには、伝説になるモデルがありません。
その素質のある革新的モデル沢山あったにもかかわらず、
それを育てる気持ちは、さほど強くなかったようです。
常に革新を求める企業体質もあるかも知れません。
折角、新しい提案賛同してもフォローがないと、離れてしまいます。
若い顧客が多いというのは、こういった体質も大いに影響しているでしょうか。
ここら辺りは、マツダとは正反対に見えます。

投稿者 aw@bitlog : 2006年11月07日 19:26

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コメント

革新的とも言えませんか。斬新なアイディアを具現化してしまうとすでに興味が薄れてしまう。潔いかだらしないかどっちでしょう。

投稿者 たまみ : 2006年11月07日 20:44

ホンダって根っからの技術屋集団なんでしょうね。「技術者集団」ではなくて「技術屋集団」ってのがミソで、開発担当者がそれぞれ個人商店を開いちゃう、担当それぞれにプライドもあるから、モデルが変わる度に「俺のシビック」とか「俺のシティ」とかが出来ちゃう。当然、モデルとしての歴史や個性の連続性は希薄なものに…。 ついでに、気の乗らない開発に当たると「■ゴ」みたいな、どうにもテキトーなブツも出来ちゃうと…。 朝令暮改もいい加減にしないと、日本のホンダは沈没しちゃって、USホンダが本社になっちゃうぞ(もうなってる?)。

投稿者 おむ : 2006年11月08日 02:21

>たまみさん

革新ってーのは、ある意味捨てなきゃいけないものの出来てくるんですけど、
気に入って買った車が、その代限りで終わってしまうのは寂しいですね。

>おむさん

前任者の作品を否定するところから始まってるのでは?
って思えるときがあります。
最初にステップワゴンを見たとき、
「え〜、こんな箱やだなぁ」って思ったので、
「こういうのもわるくないなぁ」って思い始めた頃、
3代目が出ました。
折角、「モダン箱」が出来たと思ったのに・・・。

投稿者 aw : 2006年11月08日 03:43

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