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2006年01月25日

風景をキレイにする車

march.jpg

マーチから新色が出ました。
すでに、発売からだいぶ時間が経っていますが、姉妹車のキューブともに古さを感じさせないデザインは、秀逸です。
新生日産の代名詞になったのは、かのプリメーラ。
あのボディーデザインは、未だに新鮮。
マーチとキューブも、出た当初、"少々奇抜な車"の印象で語られることも少なくなかったですが、今では、すっかり街の風景になっています。

メーカーの販売戦略の上手さもあるでしょうが、ユーザー"愛"を受け入れやすいキャラクターであること、かわいいだけはない、とても味わいある優れたデザインであることが大きいでしょう。
実は私の印象も、
「また、思い切ったなぁ、日産。大丈夫か?」でした。
しかし、見れば見るほど、良さが味わえるデザインであることがわかってきました。
マーチとキューブは、大衆車のデザインを大きく変えたと思います。
大衆車といわれる小型車は、一台当たりのマージンが少ないので、いわゆる、"数を売る"ために、出来るだけ多くの人に好まれる無難なデザインでした。差別化は、「安さ、性能、広さ」など、分かり易いところで行ってきました。
「同じ値段で、広い!」というと、それだけでそこそこ売れてきたからです。

しかし、マーチは違います。
「広さ」で勝負していないんです。
あの、愛らしいカタチこそ、"売り"です。
ニッチ市場ならともかく、量販車でこのような売り方をしたのは、おそらくマーチが最初です。
キューブは、広さこそアピールしましたが、驚くべきは、あの"左右非対称"デザインです。奇抜なことでは先輩のフランス車でもあんな車はありません。
販売は落ち着いてるようですが、次々と強力なライバルが出現する中、マーチとキューブの存在感は今なお一番。
デザインの作り込みで言えば、ミニなどは良くできていますが、デザインの「創造性」において、マーチとキューブに対抗できる車は数少ないです。
高級外車を前にしても、優越感を持てる価値観を持ったクルマです。

街の中で見かける、マーチとキューブは、とても持ち主にかわいがられている印象があります。何より、色がキレイ。フルーツやお菓子のような名前もいいです。あの色だけで欲しくなる人の気持ちがわかります。
キレイな色と愛らしく、個性的なデザインは、街の風景すら変えてしまいました。
なんでもない建て売り住宅のガレージでも、パッションオレンジのマーチがあるだけで、"楽しい家族"がいるような絵が出来上がります。
自分のターゲットではなくても、自分に近い人に持っていて欲しい、と思ってしまいます。

ああ、だれか買わないかなぁ・・・。

投稿者 aw@bitlog : 2006年01月25日 17:48

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コメント

激しく同意です。私の思ってることをほとんど言い尽くされた感があります。
私もこのクルマが発表された時は、「ええっ!、ニッサン大丈夫?」と思いました。同時に、もしこのスタイルが受け入れられるようなことがあれば、日本人の感性もまんざらでは無いかも・・と、思ったものです。
揚げ句、予想外にこの姿を街で見かけるようになり、走ってる姿を見た人は、いけるじゃない→欲しい。と、波及していったのではないでしょうか。
このクルマのオーナーは、きっと一度は道路脇のガラスに映る愛車を見てニヤッとされたことがあるんじゃないかな。
このカタチに惚れて買ったっていうのは強みですよね。3馬力高いから高性能だ、2センチ室内が広いから便利だ・・という尺度で選ぶのじゃなく、このカタチでなきゃ駄目。って言うのは競合他車の入り込む余地が無い。
既にヒットしている他社の改良版を作って、ブランド力と販売力でシェアをもぎ取るT社の商法を考えれば、ニッサンを大いに応援したくなります。

投稿者 路渡カッパ : 2006年01月28日 12:14

どーもです、カッパさん。

共感いただいて光栄です。
「このカタチでなきゃ駄目」ってクルマだと、他と較べようがないんですよね。
日産が、まず、デザインに注目したのは、不毛な競争での失敗の経験が生きているのかも知れません。

投稿者 aw@bitlog : 2006年01月28日 14:41

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